龍の庭、その結界に触れるときかつてわたしも森だったこと
あと一歩踏み出せばほら、ここからは水の領域 うたがうまれる
たましいに鳥の刺青いつだって翔べる準備はできていたんだ
水が空を恋うように気がつけばまた ぼくらはとおく月をみていた
川面には光がさやぎ終わらない夏をあなたはいつまでも追う
けれどいま終着駅を過ぎたこと うたがわたしにおしえてくれた
なにもかも諦めた日のミントティーわたしに水の記憶が満ちる
あとはもう眠るばかりの千年を 水底のメドゥーサの燐光
夕雲にゆるされてきっと奇蹟はなべてやさしい木犀の雨
天の泣く声は地底をかけめぐり汚れたままで海を育てる
note.com