水の領域

瑞木理央(みずき・りお)の短歌と詩

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【断章】壊れた世界

この世界が壊れた場所だということを私はとうに知っていた だから 世界が音を立てて崩れてゆくのを目にしても(ああ、こういうこと、前にもあったな・・・)と どこか懐かしいような気さえしてしまう そうどこか懐かしい壊れた世界 そもそも世界が壊れていな…

【連作短歌】水の領域

龍の庭、その結界に触れるときかつてわたしも森だったこと あと一歩踏み出せばほら、ここからは水の領域 うたがうまれる たましいに鳥の刺青いつだって翔べる準備はできていたんだ 水が空を恋うように気がつけばまた ぼくらはとおく月をみていた 川面には光…