水の領域

瑞木理央(みずき・りお)の短歌と詩

【連作短歌】青葉のコード

 

紫陽花の珠がほどけてきらきらの蕊が地球を芯から照らす

 

鶯がまた口ずさむ六月のアリアに森の声が重なる

 

龍の庭にプラスチックの遺物あり ヒトは何処でもピクニックする

 

QRコードが埋め込まれた青葉たまに雀も読み込んでゆく

 

ウイルスの生きのびかたを称えつつ新たなランナーとすれちがう

 

世界がずっとくだりだったらいいのにね 坂道を降りきって夕風

 

青梅雨の死が近づいてくるようなやさしい音に触れつつ、前へ

 

 

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