水の領域

瑞木理央(みずき・りお)の短歌と詩

【連作短歌】エレベーターで上がったり下がったりした日

 

透明な種として過ごしたい街で個体識別されて冬空

 

高層ビルの窓に映った青空と雲と高層ビルがまぶしい

 

シースルーエレベーターに運ばれてこのまま一人で昇天したい

 

あすの朝ゴジラに変身していたら私がビルを踏みつぶす番

 

二〇〇メートル下りれば歩道を人類があるいていたので私もあるく

 

いつの日か廃墟となって堕天使がはしゃぐ駅前バベルの塔

 

ビル風に殴られながらシャッターを押すゆびさきが無言のままだ

 

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◎初出: http://newmoon555.jugem.jp/?eid=520

 

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