水の領域

瑞木理央(みずき・りお)の短歌と詩

2020-09-21から1日間の記事一覧

【連作短歌】 旅立ち

生き終えた樹木が朽ちてゆくようにわたしの湖(うみ)も乾きはじめる なつかしい匂いの部屋に包まれて時計の音に別れを告げて にんげんのかたちを解いて生命のはじまりの夜を迎えにいこう ひび割れた記憶の束はぜんぶぜんぶベッドの上に置いて、わたしは ひ…