水の領域

瑞木理央(みずき・りお)の短歌と詩

【連作短歌】ヘモグロビンが足りなくなる日

 

鮮血がほとばしる日を(おだいじに)鉄の錠剤しろく煌めく

 

赤血球白血球をかぞえたら私の肺に吹くあかい風

 

いつもより賑やかに鳴る鼓笛隊むねに抱えてのぼる階段

 

血を流しまた血を流し残された血が体内をまためぐりゆく

 

子宮から剥がれ落ちた血は裏側でいつか誰かの体液になる

 

産むまいと決めても性の規定によりもれなく月経はついてくる

 

 

 

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