水の領域

瑞木理央(みずき・りお)の短歌と詩

【短歌】小さな手紙

 「小さな手紙」

 

 桜餅の葉にふくまれた塩分が朝(あした)わたしの涙にかわる

 ノラ猫に生まれかわって来世では煮干しが泳ぐ海辺で暮らそう

 薄闇の底に光はしらしらとあなたの石を照らしはじめる

 家じゅうを探しまわって見つからず開けた窓から来る青い鳥

 冬の日のこころの淵につもる雪 月には月の道があるから

 絹さやのすじを引きつつきららかな翠(みどり)の風をわたしに招く

 渡り鳥のように世界を翔けめぐる未来の文字も雨に滲みるか

 

 

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上記の短歌は、「月ノヒカリ」名義で2009年から運営してきたブログに、固定ハンドルネームでコメントくださった方のお名前を詠み込んだものです。

 

※参照:【短歌】小さな手紙 ――読者の皆さんへ(身近な一歩が社会を変える♪)